
『FX戦士くるみちゃん』は、心の動きやお金の減り方があまりにリアルなので、「これって実話なの?」と気になった人も多いはずです。ネットでは「作者の実体験らしい」「母の話も実話?」という声も見かけます。
この記事では、作者のでむにゃんさんがインタビューやXで語ったことだけをもとに、作品のどこが作者の体験で、どこが創作なのかを整理します。
FX戦士くるみちゃんは実話?結論
先に答えを書くと、『FX戦士くるみちゃん』は実話ではありません。アニメの冒頭にも、この物語はフィクションだという表示が出ます。
ただし、まったくの作り話でもありません。作者のでむにゃんさんは、自分自身の投資での負け方や、そのときの心の動きが、作品のもとになっていると話しています。いくつかの場面については、作者本人が「自分の体験をもとにした」と明かしています。
- 実話ではないもの:くるみの母の話、登場人物そのもの(特定のモデルはいない)
- 作者の体験がもとになっているもの:損切りできない気持ち、勝ってやめられなくなる気持ち、お金がなくなって借りる場面、レバレッジについての会話など
母の2000万円の話は作者の体験ではない
ネットでは「母が2000万円を失って亡くなるのも本当の話なのでは」という声も見かけますが、これは作者本人の話と合いません。
2021年のインタビューで、でむにゃんさんは、物語の始まりのリーマン・ショックについて、あとから調べて描いたと話しています。そして、自分の母親はFXをまったくやっていない、とはっきり答えています。作中で母・梢に何があったのかは、死亡キャラと母親・梢の死因でまとめています。
また、登場人物には特定のモデルはおらず、自分の中のいろいろな面や、人から聞いた話、掲示板などをもとに、キャラクターを作っているそうです。母の話は、作品のために作られた設定だと考えてよいでしょう。
作者の実体験がもとになっている場面
「ここ、実話です」と明かした場面
2024年9月、でむにゃんさんはXで、原作のある場面の画像とともに、ここは実話だと投稿しました。画像は、取引の画面に「証拠金が足りない」というエラーが何度も出るのに、ボタンを押し続けてしまう場面です。
この投稿には、作者の体験がたくさん入っていることがいちばん怖い、という声が多く寄せられました。
お金がなくなって借りる場面
2022年には、ドル円の売りを続けたあげくお金がなくなり、学生ローンでお金を借りることにした、という場面について、実話を参考にしたと投稿しています。
レバレッジについての会話
原作の2話で、レバレッジの倍率について話す場面は、作者が友人とした実際の会話がもとになっているそうです。
損切りできない、やめられない気持ち
取材の中で、でむにゃんさんは、損切りができない、勝ったところでやめられない、含み益が消えていく、といった自分の弱さを語っています。くるみの「欲深いところ」が自分にいちばん近い、とも話しています。
また、他の人の損を見て安心してしまうような部分も自分の中にある、と話していて、萌智子が芽吹をけしかけるような場面にもつながっているようです。作者自身の投資の成績は、でむにゃんの損失はいくら?で紹介しています。
作者の体験と作品の対応
作者が語った体験と、作品とのつながりをまとめると、次のようになります。
- 2008年(大学生)、友人の話をきっかけに株を始めて損をする:作品の母の話とは関係ない(母の話は創作)
- 2014年ごろ、FXを始めて、ナンピン(買い増し)でかえって損を広げる:作中のくるみが損切りできずに買い増す流れに近い
- 海外の業者で、高い倍率で取引し、増やしたお金を全部失う:くるみの欲深さや、芽吹の楽観的な始め方に近い
- 2016年、ポンドに全力で賭けて強制ロスカット。貯金をすべて失う:作品を描き始めるきっかけ
- 証拠金が足りないエラーが出てもボタンを押し続ける:作者が「ここは実話」と明かした原作の場面
- お金がなくなって学生ローンで借りる:作者が「実話を参考にした」と明かした場面
現実の相場も物語の舞台になっている
作品には、作者の体験とは別に、現実に起きた相場の出来事も描かれています。
- 2008年のリーマン・ショック:くるみの母が負けた時期(作者は、あとから調べて描いたと話している)
- 2014年のドル円:Web版の第二部は、2014年のドル円の動きにほぼそって描かれている(日足のチャートは現実に近づけ、細かい動きは創作)
- 2015年のスイスフランショック:原作で、くるみを追い詰める出来事
現実の相場に合わせて物語を作っているからこそ、「本当にあった話」のように感じられるのかもしれません。作中の出来事と現実の相場の対応は、FX戦士くるみちゃんの時系列でくわしくまとめています。
創作の部分:父にFXを知られる展開
反対に、作者の体験ではなく、創作として加えられた場面もあります。くるみが父にFXのことを知られる展開は、最初の構想にはなく、Web版の読者の反応を見て描いたものだと、作者がXで明かしています。このとき父がくるみにかけた言葉は、父親がくるみに言った名セリフで紹介しています。
作者が自分で手がけたもの
アニメでは、作者が自分で手がけたものもあります。作中のチャートの下書きや、やす子のブログの文章は、でむにゃんさんが自分で書いたと明かしています。チャートや数字がリアルに感じられるのは、投資を続けてきた作者自身が関わっているからでもあるのです。
なぜ「実話」と言われるのか
- 作者が自分の投資の成績をXで公開していて、大きな損をしてきたことが知られているから
- 作者自身が「この場面は本当にあったこと」と明かしたことがあるから
- 現実の相場の出来事が、そのまま物語に出てくるから
- 損切りできない気持ちなど、心理描写があまりにリアルだから
こうした理由が重なって、「作品全体が実話」と思う人もいますが、実際には、作者の体験をもとにしたフィクションです。
まとめ:FX戦士くるみちゃんは「作者の体験をもとにしたフィクション」
- 作品は実話ではない。アニメの冒頭にもフィクションだと表示される
- 母の2000万円の話は作者の体験ではない(作者本人が、自分の母はFXをしていないと話している)
- 登場人物に特定のモデルはいない
- 損切りできない気持ち、証拠金が足りなくなる場面、お金を借りる場面などは、作者の体験がもとになっている
- 父にFXを知られる展開は、読者の反応から生まれた創作
実話ではないからこそ、誰にでも起こりうる話として描かれている。それが、この作品がこれほど怖く、心に残る理由なのかもしれません。
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Xでは「作者の実体験が元らしい」という声がとても多く、なかには母や父の話まで実話だと思っている人も見られました。作者本人の話をたどると、作品の土台は作者の負け方や心の動きで、家族の話は創作だとわかります。作者の体験が入っていることがいちばん怖い、という声もあり、作者の体験と物語の重なりが、この作品の怖さを強めていると感じます。
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作品データ
key visual| タイトル | FX戦士くるみちゃん |
|---|---|
| 放送時期 | 2026年10月〜(毎週木曜 21:30) |
| 話数 | 全12話 |
| 原作 | でむにゃん/作画:炭酸だいすき |
| 連載 | コミックフラッパー(MFコミックス フラッパーシリーズ) |
| 既刊 | 10巻 |
| 制作会社 | パッショーネ |
| ジャンル | ミステリー・ホラー |
| 見放題配信 | U-NEXT、DMM TV、dアニメストア、ABEMA、Netflix、Prime Video |










