
『FX戦士くるみちゃん』の「原作」と聞いて、どれを思い浮かべるでしょうか。じつはこの作品には、作者のでむにゃんさんが自分のサイトで描いた「Web版」と、雑誌で連載している「商業版」の2つの原作があります。そこに2026年10月からのアニメ版が加わりました。
この記事では、Web版・商業版・アニメ版の違いを、5つにしぼって比べます。アニメは5話までの内容をもとにしています。
FX戦士くるみちゃんの原作の違い5選
先にまとめると、ポイントは次の5つです。
- 絵柄:Web版は作者本人の絵。商業版は炭酸だいすきさんの、かわいい絵柄
- 物語の長さと構成:Web版は第23話で止まっている。商業版は第53話まで続いている
- 雰囲気:Web版のほうが重く、絶望感が強いと言われる
- アニメ1話の終わり方:くるみの初めての取引の結末が、原作と違う
- アニメならではの見せ方:本編の前の注意書き、動くチャート、声と音
ひとつずつ、くわしく見ていきます。
そもそもFX戦士くるみちゃんの「原作」は2つある
Web版:作者のサイトで生まれた原作
『FX戦士くるみちゃん』は、もともと作者のでむにゃんさんが、自分で絵も描いてインターネットで公開していた漫画です。最初の話は2016年10月に公開されました。今も作者のサイトで、第一部(第1〜9話)と第二部(第10〜23話)が読めます。
商業版:月刊コミックフラッパーで連載中
2021年3月号から、KADOKAWAの月刊コミックフラッパーで、商業版の連載が始まりました。原作はでむにゃんさん、作画は炭酸だいすきさんです。単行本は10巻まで出ていて、連載は今も続いています。
アニメ版:商業版がもと
2026年10月から放送中のアニメは、商業版をもとにしています。アニメの公式サイトにも、原作 でむにゃん、作画 炭酸だいすき、と書かれています。
違い1:絵柄(Web版は作者の絵、商業版はかわいい絵)
いちばんわかりやすい違いは絵柄です。Web版は、作者のでむにゃんさんが自分で描いた絵です。商業版は、炭酸だいすきさんが描き直していて、くるみたちがぐっとかわいい女の子になりました。
このかわいい絵柄と、えぐいFXの展開との落差が、商業版とアニメが「怖い」と言われる理由のひとつになっています。一方で、Web版の飾らない絵のほうが生々しくて好き、という声もあります。
違い2:物語の長さと構成(Web版は第23話で休載)
Web版は、第一部と第二部の全23話まで公開されたところで止まっていて、商業版の連載が始まってからは休載中です。第三部は、次の話の予告が出たままになっています。
一方、商業版は第53話(2026年9月時点)まで進んでいて、くるみの物語に大きな区切りがついたあとも、新しい章が続いています。Web版の続きにあたる話は、商業版でしか読めません。連載がいまどこまで進んでいるかは、FX戦士くるみちゃんは完結した?何巻・何話まででまとめています。
Web版の話のタイトルを見ると、萌智子や芽吹の名前が出てくるのは後半の話です。商業版やアニメでは、萌智子は2話、芽吹は4話から出てくるので、登場人物が出てくる順番やタイミングも、少し整理されているようです。
Web版の話のタイトル一覧
Web版の各話には、短いタイトルがついています。並べてみると、物語の流れが見えてきます。
- 第一部(第1〜9話):お祈り/逡巡/結果/始まり/子供の戦い/意志/初心者/欲望/希望
- 第二部(第10〜23話):胎動/追証/悔恨/分岐点/火柱/決壊/救いの手/氷の世界/智、萌ゆる子/博奕/終点/将来/雇用統計の日/山師、芽吹く
第18話「智、萌ゆる子」は萌智子、第23話「山師、芽吹く」は芽吹の名前を思わせるタイトルです。「追証」「火柱」「雇用統計の日」など、FXの言葉や相場の出来事がそのままタイトルになっているのも、Web版らしいところです。
違い3:雰囲気(Web版のほうが重い?)
Web版と商業版の両方を読んだ人からは、「Web版のほうが重くて、絶望感が強い」「商業版はマイルドになった」という声が多く見られます。Web版のくるみはより理知的で、そのぶん追い詰められていく姿がつらい、という声もあります。
ただ、「商業版はWeb版をかなり忠実に描き直している」という声もあり、大きな流れは同じです。違いは、絵柄やテンポ、細かい見せ方にあると言えそうです。
違い4:アニメ1話の終わり方
アニメと商業版で、いちばん話題になったのが、1話の終わり方です。
- 商業版:くるみは初めての取引で、早めに決済して利益を出す
- アニメ:くるみは決済をためらい、その直後に相場が急に下がって、大きな含み損を抱えたまま1話が終わる
アニメの2話では、相場が反転して、くるみは利益を出すことができます。つまり、取引の結果そのものは原作と同じで、見せ方を変えて「次はどうなるの?」と思わせる終わり方にしているのです。
また、くるみの初めての取引の中身も少し違う、という指摘があります。原作では少なめの量の売りから入るのに対して、アニメではより多い量の買いから入っていて、「アニメのくるみのほうがギャンブラー」という声も出ていました。
違い5:アニメならではの見せ方
アニメには、原作にはない見せ方がいくつもあります。
- 本編の前の注意書き:FXのリスクについての注意書きが出てから本編が始まる
- 動くチャート:チャートが生き物のように急に動き、音と一緒に迫ってくる
- 声と叫び:母やくるみの叫び声が、紙の上で読むよりずっと重く響く
- オープニング:明るい歌と、原作にはない華やかな映像
- 母の場面:母が追い詰められていく様子や葬儀の場面が、原作より重く描かれている
原作を読んだ人からも、「アニメのほうが怖い」「結果を知っていてもゾクッとする」という声が多く見られます。アニメを見た海外のファンの声は、5話の海外の反応で紹介しています。
ほかにもある細かい違い
5つのほかにも、見た人たちからは次のような点が挙げられています。
- 4話で、くるみを止めようとする「昔の自分」の姿が、原作とアニメで違う
- アニメは、原作の話を少しずつ足したり、まとめたりしながら進んでいる(4話で原作の2巻に入るあたり)
- セリフが削られて、少しわかりにくくなった場面がある
こうした細かいところを探しながら、原作とアニメを見比べるのも、この作品の楽しみ方のひとつです。
原作の作者が語る「読者の声から生まれた場面」
作者のでむにゃんさんは、Xで、Web版を描き始めたころの話をしています。それによると、くるみが父にFXのことを知られる展開は、最初の構想にはなかったそうです。Web版の読者の反応を見て、一度しっかり叱られたほうがいいと考えて描いた、という趣旨のことを書いています。作者のでむにゃんさんについては、原作者でむにゃんのプロフィールで紹介しています。
アニメ4話の父の場面が多くの人の心に残ったのは、もともと読者の声から生まれた場面だったからなのかもしれません。
原作とアニメ、どれから見る・読む?
- まずはアニメから:動くチャートや声で、怖さがいちばん伝わりやすい
- アニメの続きを知りたいなら商業版:アニメは全12話の予定で、原作の4〜5巻あたりまで描かれそう(予想)。続きは5巻か6巻あたりから読むとつながりやすい
- 作品の原点を知りたいならWeb版:作者のサイトで読める。より重い雰囲気を味わいたい人に
※アニメの範囲は、2次元オタク編集部の予想です。
まとめ:FX戦士くるみちゃんは、原作もアニメも見比べると面白い
- 原作は2つある。作者が描いたWeb版(第23話で休載)と、雑誌で連載中の商業版(第53話まで)
- アニメは商業版がもと。大きな流れは同じで、見せ方が違う
- 違い1:絵柄。違い2:物語の長さ。違い3:雰囲気。違い4:アニメ1話の終わり方。違い5:アニメならではの見せ方
- 父にFXを知られる場面は、Web版の読者の声から生まれたもの
同じ物語でも、絵や見せ方が変わると、感じ方も変わります。アニメで気になった人は、ぜひ原作も読み比べてみてください。
あわせて読みたい
Xや感想のブログでは、アニメ1話の終わり方が原作と違うことに気づいた人がとても多く、「アニオリの入れ方がうまい」とほめる声が目立ちました。Web版と商業版の両方を読んだ人からは「Web版のほうが重い」という声がある一方で、「商業版はかなり忠実」という声もあり、どちらにもファンがいることがわかります。原作を知っている人ほど、アニメの細かい違いを楽しんでいる印象です。
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作品データ
key visual| タイトル | FX戦士くるみちゃん |
|---|---|
| 放送時期 | 2026年10月〜(毎週木曜 21:30) |
| 話数 | 全12話 |
| 原作 | でむにゃん/作画:炭酸だいすき |
| 連載 | コミックフラッパー(MFコミックス フラッパーシリーズ) |
| 既刊 | 10巻 |
| 制作会社 | パッショーネ |
| ジャンル | ミステリー・ホラー |
| 見放題配信 | U-NEXT、DMM TV、dアニメストア、ABEMA、Netflix、Prime Video |










